タイル専門店がオススメする、<施工場所別>市販の接着剤
タイル用の接着剤を選ぶポイント
タイルをDIYで貼り付ける際に大切なのが接着剤選びです。どれだけ見た目良く並べてタイルを貼り付けても、適切な接着剤を適切な量で使用しなければすぐに剥がれてしまいます。また、乾燥時間も考慮して作業を行わないと作業が思ったより長引くことになり、生活にも支障が出てしまいます。接着がうまくいかないと建物を保護する、タイル本来の役割を果たせませんし、インテリアにおいてもかえって逆効果です。
今回は外壁や内壁、それぞれの用途に合わせたオススメのタイル接着剤をご紹介したいと思います。
外壁と内壁の他に、水回り箇所にタイルを設置する際にしっかりとくっついてくれる接着剤も併せて紹介します。タイルを末長く、美しく使うためにも、自身の目的に合った接着剤の選び方を覚えておきましょう。
まず、タイル用の接着剤を選ぶ際に見ておきたいポイントをまとめておきましょう。
タイルの用途に合った接着剤を選ぶ
一番大切なのは、貼り付けるタイルに合う接着剤かどうか、という点です。言うまでもありませんが、接着剤の説明欄に「タイルに使用可」と書いてあるかどうかは確認しましょう。
その上で、次に説明する「タイルの素材」や「下地素材」に着目して、接着剤を選ぶようにしましょう。加えて、耐水性がある接着剤かどうか、水回り箇所や外壁に貼り付けるタイルに用いる場合は重要です。こちらも必ずチェックするようにしましょう。
ほかにも見落としがちなのが、乾ききった後の接着剤の硬さです。玄関の床部分など、重い力が加わる部分にタイルを使用する場合は、固まってもある程度の弾力性を維持する接着剤を使用するようにしましょう。接着剤が硬く固まってしまうと衝撃に弱くなり、割れの原因になってしまうためです。
タイルや下地の素材に合った接着剤を選ぶ
タイルには様々な素材があります。例えば、タイルスタイルで取り扱っているタイルのなかにはセメント系だけではなく、焼成レンガをスライスしたタイルから大理石などの天然石を使用したもの、つるつるっとした質感の陶磁器を使用したタイルまで多岐に渡ります。そのため、必ず自分の使用するタイルの素材は確認しておきましょう。一般的に硬い素材をしっかりと貼り付けたい時にはエポキシ系の接着剤が良いと言われていますが、自己判断が難しい場合は必ず、店頭の専門スタッフなど詳しい人に尋ねるようにしましょう。
ついついチェックし忘れるのが、下地の素材です。モルタルなのか、合板なのかによって適切な接着剤は変わってきます。店頭でスタッフに尋ねる場合も「タイル」と「下地」の素材は最低限、覚えておくようにしましょう。
容量を確認する
接着剤をネットで探す場合には気をつけたいのですが、接着剤の容量はそれぞれ異なります。缶タイプで多めの量が入っているのもあれば、使い切りタイプとして少量のみの接着剤も販売されています。余ってしまう分にはまだ良いのですが、問題は作業中に足りなくなってしまった時です。接着剤には貼り付ける範囲に応じて、使用量の目安が書かれていることがほとんどなので、必ず確認の上で購入してください。目分量で買ってしまうと「思ったより多かった・少なかった」という問題が起こりやすいです。
付属物の確認をする
DIYの時に気をつけたいのは、「必要な道具を最初に準備しておく」という点です。いざタイルと接着剤を揃えて作業、と思っても必要な道具が足りないと作業ができない可能性もありますし、細かい接着作業が行えなくなってしまいます。
ヘラなどの最低限の道具は接着剤に付属していることもありますが、念のため、作業に必要な道具が接着剤の付属品として入っているかどうかや、細かい作業に適した道具が揃えてあるかは、タイル貼り付け前にきちんと確認しておくのが理想です。マスキングテープなどもあると仕上がりが美しくなりますよ。
できるだけリーズナブルな価格で接着効果のあるものを検討する
リーズナブルに手に入れられるセメント系などのタイルもありますが、天然石を用いたタイルやデザイン性が高いタイルはそれなりの出費になってしまうものです。もちろん、高級で高品質な接着剤を使用すれば、より安心ですが、できる限り接着剤はリーズナブルに抑えたいと考えている人は多いのではないでしょうか?
タイルの貼り付け箇所にもよりますが、タイルの下地として使用するモルタルは水で薄めて使用できるのでお手軽かつ安価で済ませられますよ。
外装タイルにオススメの接着剤
それでは、次に外装タイル・内装タイル・水回り箇所のタイルにオススメの接着剤をそれぞれ紹介していきます。
まず、外装タイルにオススメの接着剤ですが、重要な点は「接着力」と「耐水性」、「耐熱性」です。室内に比べ、雨風にさらされやすい外壁のタイルは、簡単には剥がれないように接着力を重視しましょう。目地から入り込んだ水分で、接着力が落ちてしまわないように、しっかりと乾いて固まる接着剤がオススメです。日光も、常に当たり続けることで接着力が弱まってしまう可能性があるので、耐熱性に優れているかどうかもチェックしておきたいところです。
外壁にオススメなのが、先ほど説明したモルタルです。仕上がりも美しいですし、レンガ素材のタイルなどには特にマッチします。
また、外装で玄関などに床タイルを使用する場合は、弾力性のある接着剤を使用することをおすすめします。床タイルの場合は下地の汚れを取り除き、平面な状態にすることで仕上がりが綺麗になりますし、後々の剥がれが少なくなります。
オススメ接着剤1
タイルメント フレックスマルチ 内外装壁用 変成シリコーン・エポキシ樹脂系接着剤 http://www.tilement.co.jp/products/pottery/potterytile/post_7.html?cat=6
内外装両方のタイルに使えるタイプです。硬化後はゴム状の弾力性を持つため、衝撃に強く、割れを防いでくれます。
内装タイルにオススメの接着剤
リビングや廊下の壁面に用いる内装タイルでは、屋外のように耐熱性や耐水性をそこまで考慮する必要はありませんが、やはり、屋内は多くの時間を過ごす空間ですし、見栄えに直結する箇所ですので、剥がれなどは避けたいですよね。内装壁タイル貼りに特化した接着剤も多く販売されているので、初めての人でも選びやすいはずです。
一般的に、下地がモルタルや合板、ボードの場合は、一液水性型接着剤などがオススメです。耐水性があるため、キッチンやトイレなど水濡れの可能性がある箇所にも使用可能です。
オススメ接着剤2
ネオピタ#マンテン タイル接着剤 http://daikenkagaku.co.jp/product/kenchiku/9/
モザイクタイルやブリックタイル(レンガのタイル)に対応しています。様々な種類の下地にも対応しているため、「お気に入りのタイルを部屋に貼りたい」という方には汎用性の高い接着剤です。外壁にも使用可能です。
浴室やトイレなど、水回りのタイルにオススメの接着剤
浴室やトイレ、キッチンなど水で濡れやすい箇所はタイルだけではなく、接着剤選びにも注意したいところです。また外に比べ、空気の循環が少ないため乾燥に時間がかかります。水回り箇所は家の中でも使用頻度が高い箇所です。特にお風呂場にタイルを貼り付ける場合は、乾燥に数日もかかってしまうと、日常生活にも支障が出てしまいます。早く乾燥して固まる接着剤かどうかもチェックするようにしましょう。
オススメ接着剤3
ヘンケル ロックタイト タイル接着剤 http://www.loctite-consumer.jp/ja/products/diy/diy1.html
洗面所・浴室・台所・トイレ・玄関などの壁や床に使用可能です。耐水性があるので、トイレやお風呂、水回りのタイル貼り付けのおすすめです。
外壁タイルを選ぶ際も同様に注意が必要ですが、必ず劇物や毒物を使用していない接着剤を使用するようにしましょう。通常、厚生労働省や消費庁が指定する劇物や毒物が入っている場合は、その旨が接着剤に分かりやすく表示されています。お子様がいる家庭では接着剤は手の届かないところで保管するのはもちろん、作業環境もできるだけ換気を行い、気分が悪くなった場合はすぐに作業を中止し、必要であれば病院で相談するようにしてください。
まとめ
DIYでのタイル貼りは大がかりなリフォームに比べて気軽に行えるため、世代を問わず人気があります。今回は「自分の部屋を自分らしくアレンジしたい」という方のために、タイルに合った接着剤の選び方について紹介しました。タイルによって家の中や外の雰囲気はガラリと変わります。ぜひ、タイルをDIYで貼り付ける際は今回の情報を参考に、正しく、安全に行なってくださいね。